ぞめくんです。
今回は、知っていたら阿波おどりを観るのがもっと楽しくなる豆知識をひとつ。
初めて観る多くの人がまず疑問に思う
『阿波おどりには、決まった踊りの型があるのでしょうか?』
について。
とりあえず、私なりの答えを言いますね。
答えは・・・
あるようでない!
そもそも、阿波おどりの起源は諸説あるのですが(※起源については、またの機会にご紹介しますね)
どの説も[民衆の踊り】から始まったということに変わりなく、それゆえ自由なのが特徴です。
“阿波おどりに正調なし”という考えもあるほどで、手をあげてお囃子(はやし)に合わせて踊れば、
それがもう“阿波おどり”なんです。
だからこそ、踊ったことがない観衆でも一緒に踊れるのがこの踊りの魅力だったりするんです。
とはいえ、やはり今活躍している有名な連(れん)はそれぞれ特徴がありながら、
歴史を遡ると、どこかの連のおどりの流れを受けてたり、影響されているんですよね。
(注:連とは、簡単に言えば阿波おどりのチームのこと)
そんな中、特に有名な踊りの流派が三つあって、現代の三大主流と言われています。
今回はその三大主流について、簡単にご紹介します。
一つ目は、
踊り子の個性を活かした伸びやかで雄大な踊りが特徴の
のんき調。
有名連である【のんき連】が発祥。
どっしりとした踊りがベースにあり、男踊りはまさしく背筋を伸ばして腰を落とし、
つま先を立て、大地を刻むように足を運びます。
さらにキレのある手さばきと二拍子のリズムの中に、踊り子の個性が織り交ぜて表現されます。
女踊りは、スローテンポを基調に、優しく女性らしい足運び。
優雅に舞う上半身としなやかに伸びる指先で観衆を魅了します。
次に、
ゆったりとしたお囃子に合わせて“タメ・間・情”で魅せる
娯茶平調。
有名連である【娯茶平(ごぢゃへい)】が発祥。
ゆったりとしたお囃子に合わせて踊るのが特徴で、
日本の古典芸能である能を思わせる“すり足”は娯茶平調独特の足運び。
男踊りは地を這うように腰を低く落とし、巧みにうちわを操ります。
一方で、整然と隊列を組んで、艶やかに踊るのが女踊り。
編み笠から、そっと覗く表情の色っぽさは必見。
最後に、
豪快かつ奔放、まさに阿波武士の心といった踊りが特徴の
阿呆調。
有名連である【阿呆連】が発祥。
三大主流の中でもひときわ豪快で激しい踊り。
男踊りは手に弓張り提灯を持つことが多く、その手さばきは見もの。
前傾姿勢でリズミカルに踊るその姿は、まさに“暴れ踊り”と呼ぶに相応しい。
歓喜を表しているという躍動的で華麗な女踊りは、
一体感のあるフォーメンションの中でさらに美しく映えます。
以上、三大主流を紹介しましたが
大会当日は、たくさんの連がいろんな個性を発揮して踊りこんでいます。
その中で、「この連は、もしかして◯◯調では?」という発見があれば、
さらにディープな阿波おどりの虜となる第一歩になるかもしれませんよ。
この記事へのコメントはありません。